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Channel: たるーの島唄まじめな研究
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シューラー節 3

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シューラー節 しゅーらーぶし shuuraa bushi 語句・しゅーらー 「沖縄語辞典(国立国語研究所編)」(以下【沖辞】と略す)には「しゅーらーしゃん」という形容詞のみある。意味は「しおらしい。かわいらしい。愛らしい。」。「しゅーらー」を名詞とかんがえると「しおらしさ。かわいらしさ。愛らしさ」となる。恋人を呼ぶ時に「しゅら」ということもある。囃子言葉の「へいよーしゅーらーよー」からついた歌名だが、「恋人節」と訳すこともできよう。 唄三線 嘉手苅林昌 CD「平成の嘉手苅林昌」より筆者聞き取り。 一、打ち鳴らしならしヨ 四つ竹はならちヨ ならす四つ竹ぬヨ 音ぬ、音ぬしゅらさヨ ヘイヨーシューラーヨー うちならしならし(よ)ゆちだきはならち(よ)ならすゆちだきぬ(よ)うとぅぬ、うとぅぬしゅらさ(よ)へいよーしゅーらーよー 'uchinarashi narashi(yo) yuchidaki wa narachi (yo)narasu yuchidaki nu (yo)'utu nu,u 'utu nu shurasa (yo)hei yoo shuuraa yoo (「へいよーしゅーらーよー」は囃子なので以下略す。) 〇打ち鳴らせ 四つ竹は鳴らして 鳴らす四つ竹の音のかわいらしいことよ! 語句・よ 唄のカタカナの「ヨ」は全て囃子であり、強い意味はない。調子を合わせるためのもの。・ゆちだき 通称「四つ竹」。「竹製のカスタネット。両手に竹片を各二枚づつ持ち、手のひらを開閉し打ち鳴らして踊る」【沖辞】。琉球舞踊の小道具、打楽器の一つ。 二、ならす四つ竹ぬヨ 音にまじりやいヨ 今日や御座出じてぃヨ いるいるぬあしびヨ ならすゆちだきぬ(よ)うとぅにまじりやい(よ)きゆやうざんじてぃ(よ)いるいるぬあしび(よ) narasu yuchidaki nu (yo)'utu ni majiriyai (yo)kiyu ya 'uza 'Njiti (yo)'iru'iru nu 'ashibi (yo) 〇鳴らす四つ竹の音にまぎれたりして 今日はお座敷に出ていろいろな遊び 語句・まじりやい まぎれたり <まじりゆん。 まじりいん。;紛れる。 三、きゆあしでぃあちゃやよ にんだわんゆたさよ くまぬ うふぬしぬよ うゆえ、うゆえやてぃるよ きゆあしでぃあちゃや(よ) にんだわんゆたさ(よ)くまぬうふぬしぬ(よ)うゆえ うゆえやてぃる(よ) kiyu 'ashidi 'acha ya (yo)niNdawaN yutasa (yo)kumanu 'uhunushi nu (yo)'uyuwee 'uyuwee yatiru (yo) 〇今日遊んで明日は寝ていてもいいさ ここの大主様のお祝いだから 語句・にんだわん寝ても。<にんずん。;寝る。+わん 〜しても。・ゆたさ <ゆたしゃん。ゆたさん。;良い。よろしい。・うふしゅ 「父方の一番上の伯父。」「平民についていう」。村で演じられる村芝居に「長者の大主」(ちょうじゃぬうふしゅ)という時の「うふしゅ」は120歳ほどの長老を表す。 四、月ん照りまさてぃよ 糸かめり童よ 花ぬ露ふぃるてぃよ 貫ちゃい、貫ちゃいあしばよ ちちんてぃりまさてぃ(よ) いとぅかめり わらび(よ) はなぬちゆふぃるてぃ(よ) ぬちゃい ぬちゃい あしば(よ) chichiN tiri masati (yo)'itu kameeri warabi (yo)hana nu chiyu hwiruti (yo)nuchai 'ashiba(yo) 〇月もますます照り美しいことよ! 糸を持っておいで子ども 露の玉を拾って貫いたりして(穴に通したりして)遊ぼう 語句・かめり求めよ → 探しておいで。 持っておいで。 <かめーゆん。 「(落とし物などを)拾う。 拾い物をする。」「捜し求める。」【沖辞】。・ぬちゃい 貫いたりして <ぬちゅん 貫く 穴に通す。 五、別りがたなさやよ 互にあらやしがよ わかりわななゆみよ 義理ぬ、義理ぬなれやよ わかりがたなさや(よ) たげにあらやしが(よ) わかりわななゆみ(よ) じりぬ、じりぬなれや(よ) wakarigatanasa ya(yo) tagee ni 'ara yashiga (yo)wakariwana nayumi (yo)jiri nu jiri nu naree ya(yo) 〇別れ難さはお互いにあるのだけれど 別れないわけにはいかないだろう 義理というものはそういうものだから 嘉手苅林昌さんの「しゅーらー節」を取り上げた。 古典には「しほらい節」というのがあるが、民謡のこの「シューラー節」とは、三線も歌詞も関係ないと言っていいだろう。 「へいよーしゅーらーよー」という囃子言葉からきている曲名だろう。 「おい 恋人よ」とも訳せる。 (囃子言葉の訳には深入りしないという教えを守っているのでここまで(笑)) 2006年に取り上げたシューラー節。http://taru.ti-da.net/e1056207.html 2007年にも。http://taru.ti-da.net/e1235270.html ここでは嘉手苅林昌さんはシューラー節単独だが、 CD「小浜守栄/嘉手苅林昌」では「シューラー節」からチラシに「屋慶名クヮディーサー」となっている。 知名定男さんは「ヤッチャー小」のチラシに「シューラー節」という並び。 最近は早弾きもほとんど「チャッカ、チャッカ」のスキップ式リズムだが、嘉手苅林昌さんらの頃は「タタタタ」という駆け足式。 スキップ式に慣れてしまうとこの駆け足式はなかなか難しい。 唄い方も手も歌詞も自由度が非常に高い唄だといえる。

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