高離り節
たかはなりぶし
takahanari bushi
〇高離り島(宮城島)の歌
語句・たかはなり 高離り島は現在の宮城島。
(民謡)
一、高離り(シタリヌ ヨーンゾ)島や(ハリ)物知らし所 な物知や(シタリヌ ヨーンゾ)びたん (ハリ)渡ちたぼり(ハーイヤ マタ シタリヌ ヨーンゾ)
たかはなり(したりぬよーんぞ)しまや(はり)むぬしらしどぅくる なむぬしや(したりぬよーんぞ)びたん (はり)わたちたぼり(はーいやまた したりぬよーんぞ)
takahanari(shitarinu yoo Nzo)shima ya (hari)munu shirashi dukuru naa munu shiya(shitarinu yoo Nzo)bitaN (hari)watachitabori (haa'iya mata shitari nu yoo Nzo)
(以下囃子言葉は省略)
〇高離り島(現在の宮城島)はものを教える所 もう悟りましたから島を渡らせてください
二、霞立つ山や 梅ぬ花盛い 風に誘わりてぃ 匂いぬしゅうらしゃ
かすみたつやまや んみぬはなざかい かじにさすわりてぃ にうぃぬしゅらさ
kasumi tatu yama ya Nmi nu hanazakai kaji ni sasuwariti niwi nu shurasa
〇霞がたつ山は梅の花が満開 風に誘われて匂いが愛しい!
語句・しゅらさ いとしい。<しゅーらーさん かわいらしい。
三、今日は行逢拝でぃ 色々ぬ遊び 明日や面影ぬ 立ちゆとぅ思ば
きゆやいちぇうがでぃ いるいるぬあしび あちゃやむぬかじぬ たちゆとぅみば
kiyu ya 'icheugadi 'iruiru nu 'ashibi 'asha ya 'umukaji nu tachi yu tu mi ba
〇今日はあなたとお会いして色々と遊びましたね 明日は面影が立つのだと思うと(さびしい)
四、押す風ん涼さ でぃちゃよ押し連りてぃ さやか照る月ぬ陰に遊ば
うすかじんしださ でぃちゃようしちりてぃ さやかてぃるちちぬかじにあしば
'usu kajiN shidasa dicha yo 'uchichiriti sayaka tiru chichi nu kaji ni 'ashiba
〇そよ風も涼しいよ さあ一緒に連れだってさやか照る月の陰で遊ぼうよ
語句・うすかじ そよ風。 ・でぃちゃさあ。
五、でぃちゃよ押し連りてぃ 眺みやい遊ば 今日や名に立ちゅる十五夜でむぬ
でぃちゃようしちりてぃ ながみやいあしば きゆやなちたちゅる じゅうぐやでむぬ
dicha yo 'ushichiriti nagami yai 'ashiba kiyu ya na ni tachuru juguya demunu
〇さあ連れ立って月を眺めたりして遊ぼうよ 今日は有名な十五夜なのだから
語句・なにたちゅる 有名な。
(舞踊)
上記一、二に加え
御主加那志奉公い 夜昼んさびん あまん世ぬしぬぐ 御許しゆ召り
うしゅがなしめでい ゆるひるんさびん あまんゆぬしぬぐ うゆるしゅみしょり
'ushuganashi medei yuru hiruN sabiiN 'amaN yu nu shinugu 'uyurushumishoori
〇首里の王様へのご奉公を夜も昼もいたしますので あそこの世のお祈りをお許しください
語句・めでい 「美公事」「王府へのご奉公、出仕、宮仕え、公務」【琉球語辞典】。・しぬぐ 「【<〔おもろ語〕シノグル〔踊る〕】シヌグ〔神前でくりひろげられた踊〕」【琉球語辞典】。一時、王府によって取り締まられた。
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