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Channel: たるーの島唄まじめな研究
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恋し鏡地

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恋し鏡地 くいしかがんじ kuishi kagaNji 〇恋しい鏡地(地名) 語句・かがんぢ 沖縄県国頭郡国頭村鏡地。「はがんぢ」とも。 作詞・作曲/儀保 正輝    一 奥間森ぬ伊集ぬ木や 花ん咲ちょさ 露かみてぃ ありから幾年なとーがや 見りば思いやまさてぃ 戻てぃ来うよう鏡地に うくまむいぬ いじゅぬきや はなんさちょさ ちゆかみてぃ ありからいくとぅし なとーがや みりばうむいやまさてぃ むどぅてぃくよ かがんぢに ukuma mui nu 'iju nu ki ya hanaN sachoosa chiyu kamiti 'arikara 'ikuneN natooga yaa miriba 'umui ya masati muduti kuuyoo kagaNji ni 〇奥間森のイジュの木は 花も咲いているよ 露をのせて あれから何年になっているかねえ 見ると(あなたへの)想いが強くなり 戻ってきてね鏡地に 語句・うくまむい 鏡地の隣の奥間地区の森。・いじゅ 「伊集」とも書くが、ツバキ科ヒメツバキ属。5月から花が咲く。 沖縄ではよく見られる。「辺野喜節」(びぬちぶし)にも歌われ、「伊集の木の花やあんきょらさ咲きゆり わぬも伊集やとて真白(ましら)咲かな」とあるように白い花が咲く。・かみてぃ <かみゆん (頭などの)上にのせる。・まさてぃ <まさゆん 強くなる。・くーよー <ちゅーん 来る。の命令形 くー。+よー ね。 ニ 畔払ぬあぬ時に 袖にしちゃるあぬ情 ぬんでぃ他人に知らすがよ 夕びん何がやら淋しさぬ 鏡地浜に居ちょたしが あぶしばれーぬあぬてぅちに すでぃにしちゃる あぬなさき ぬんでぃゆすにしらすがよ ゆーびんぬがやら さびしさぬ かがんぢばまにいちょたしが 'abushi baree nu 'anu tuchi ni sudi ni shicharu 'anu nasaki nuu Ndi yusu ni shirasu ga yoo yuubiN nuugayara sabishisanu kagaNjibama ni 'ichoota shiga 〇田のお祓いのあの時に 別れを告げられたあの恋 なんといって他人に語れるか 夕べも何か寂しくて 鏡地浜にたたずんでたが 語句・あぶしばれー あぶし(田んぼのあぜ)祓い。旧暦の4月の14、15日あたりに行われる害虫駆除の儀礼。・すでぃにしちゃる 「すでぃにすん」(「おろそかにする」【琉球語辞典】)→「すでぃにしちゃる あぬ情」(別れを告げられたあの恋」。・ぬんでぃ <ぬー 何。+ んでぃ と言って。 と。 三 確かありや霜月ぬ 月ぬ夜ぬあぶし路 比地橋居とてぃ別りたる 後姿ぬ忘ららん 戻てぃ来うよう 鏡地に たしかありや しむちちぬ ちちぬゆぬ あぶしみち ひじばしうとてぃ わかりたる うしるしがたぬ わしららん むどぅてぃくよーかがんぢに tashika 'ari ya shimuchichi nu chichi nu yuu nu 'abushi michi hwijibashi utooti wakaritaru 'ushiru shigata nu washiraraN muduti kuu yoo kagaNji ni 〇確かあれは11月の満月の夜の田んぼの畔道 比地橋で別れた後ろ姿が忘れられない 戻っていてね鏡地に 語句・しむちち 旧暦の11月。・ひじばし 国頭村の奥間の比地川にかかる橋。・うとーてぃ ~で。 四 此ぬ内行逢ゆら んでぃ思てぃ 今日ん友小に 沙汰さしが 今度ぬ十五夜までぃや 恋しあぬ橋渡てぃ 戻てぃ来うよう 鏡地に くぬうちいちゃゆら んでぃうむてぃ ちゅーんどぅしぐゎーにさたさしが くんどぅじゅーぐやまでぃや くいしあぬはしわたてぃ むどぅてぃくよー かがんぢに kunu 'uchi 'ichayura 'Ndi 'umuti chuuN dushigwaa ni sata sashiga kuNdu nu juuguya madhi ya kuishi 'anu hashi watati muduti kuu yoo kagaNji ni 〇近いうちに会えるだろうって思って今日も友達と噂したけど今度の満月の十五夜までには 恋しい思い出のあの橋を渡って戻ってきてね 鏡地に 語句・くぬうち 近いうちに。「このうち」というのは沖縄語独特の表現。本土では「そのうち」だろう。・いちゃゆら <いちゃゆん 出会う。会う。  未然形 いちゃゆら。会うだろう。 ・さたさしが <さた 噂。+さ <しゅん + しが だけども。・じゅーぐや 「満月の夜;(特に)旧暦8月15日の夜、中秋」【琉辞】。 人気歌謡でもある「恋し鏡地」を訳してみた。 失恋の歌でもあるが、愛しい彼と別れて、離れてしまったが、この恋しい鏡地に戻ってきてほしい、と願う乙女心をよく歌っている。 このCDでは饒辺勝子さんが歌っている。

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