南謝門節
なんじゃじょーぶし
naNjajoo bushi
〇南謝門の唄
語句・なんじゃじょー 久米島の東部の謝名堂にある拝所。旧暦の6月に稲大祭が行われる場所。大きなクファディサの木がある。
一、南謝門ぬくふぁや 枝持ちぬ美らさヨ ユイヤサーサー 謝名堂女童身持ち美らさヨンナ ユイヤサーサー
なんじゃじょーぬくふぁや ゐだむちぬちゅらさ(よんな ゆいやさーさー)じゃなどーみやらびぬみむちじゅらさ(よんな ゆいやさーさー)
naNjajoo nu kuhwa ya yidamuchi nu churasa (yoNna yuiya saa saa)janadoo miyarabi nu mimuchi jurasa (yoNna yuiya saa saa)※以下囃子は省略。
〇南謝門のクファディサは枝振りが美しいことよ!謝名堂の娘は心身共に美しいことよ!
語句・じょー 門。・くふぁ クファディーサー。クハディサ。使君子科の熱帯樹。別名は「古葉手樹」(コバテイシ)。沖縄だけでなく小笠原、アジア、アフリカの海岸に分布。冬は枯れて落葉する。沖縄では墓場に植えられることが多く「泣き声」を聞いて大きくなるという言い伝えがある。・ゐだむち 枝振り。「ゐ」の発音は「yi」。や行の発音で、現在の50音にはない。・ちゅらさ 美しいことよ!<ちゅらさん。「きよらさん」から。・みむち 「身持ち」、心身や行動もふくめて、その人の有り方。
二、だんじゅ比嘉村や うとぅに豊まりる 一立て女童ぬ なだる美らさ
だんじゅふぃじゃむらや うとぅにとぅゆまりる ちゅだてぃみやらびぬ なだるちゅらさ
daNju hwijamura ya 'utu ni tuyumariru chudati miyarabi nu nadaru churasa
〇だんぜん比嘉村はその名を知られているが すべての娘の非常に美しいことよ!
三、謝名堂馬越川 照り明かすう月 さばち思なびが 身なり美らさ
じゃなどーんまぐしかー てぃりあかすうちち さばちうみなびがみなりちゅらさ
janadoo 'Nmagushikaa tiri'akasu 'uchichi sabachi 'uminabi ga minari churasa
〇謝名堂の馬越川に照って明るくする御月様 櫛をかけた愛しいナベの身なりが美しいことよ!
語句・さばち 櫛(くし)で髪をとかして。<さばちゅん 櫛をかける。さばく。連用形。・・して。
四、並びてる童 十七ぬ童 うりから越いてぬ 並び算ぬふか
ならびてるわらび とぅななぬちわらび うりからくいてぃぬ ならびさんぬふか
narabiteeru warabi tunanachi nu warabi 'uri kara kuiti nu narabisaN nu huka
〇並んでいる娘 十七歳の娘 それを越えて(以下不詳)
引き続き久米島民謡を取り上げる。
南謝門は、久米島の東部の字謝名堂にある。
旧暦の6月に「稲大祭に南謝門で安全祈願を済ませた事を祝う、祭祀舞踊ウシデーク(臼太鼓)の唄として」(観光ガイドマップ)歌われてきたもの。
現在は、廃藩置県以降にウシデークの代わりに角力(すもう)が行われている。
南謝門のクワディーサー。
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