はじうすい坂
はじうすいびら
hajiusui bira
語句・はじうすいびら 東村の有銘にある坂の名前。隣村同士の男女が誤解のすえに自殺した場所とされる。「はじうすい」とは「恥」を「覆う」(うすゆん。うすいん)から来ている。
作詞;仲宗根幸市 作詞;普久原恒勇 唄;山里ユキ
(連ね)野山越ぃる道や幾里ひじゃみてぃん 闇にただ一人忍でぃ行ちゅん
(ちらに) ぬやまくぃるみちや いくりふぃじゃみてぃん やみにただふぃちゅいしぬでぃいちゅん
(chirani) nuyama kwiru michi ya 'ikuri hwijamitiN yami ni tada hwichui shinudi 'ichuN
〇野山を越える道は何里離れていても闇の中ただ一人で忍んで行く
語句・くぃる 越える。 ・ふぃじゃみてぃん 隔てていても。<ふぃじゃみゆん 離れる。
源河山脇に あたら花散らち 一道なてぃ結ぶ 二人が情き
じんかやまわちに あたらはなちらち ちゅみちなてぃむしぶ たいがなさき
jiNka yama wachi ni 'atara hana chirachi chumichi nati mushibu tai ga nasaki
〇源河の山脇に一度しか咲かない花を散らして 一つの道になって結ばれる二人の愛
語句・じんか 名護市羽地村の源河。<じんかー。・あたら 「もったいない」「大切な」<あたらさん。 また、あったら。とも。 九州、宮崎でも「もったいない」ことを「あったれー」という。「新しい」とは違う。
哀り露果てぃてぃ 肌染だる所 道歩む人ぬ 枝小覆すてぃ
あわりちゆはてぃてぃ はだすだるとぅくる みちあゆむふぃとぅぬ いぇだぐゎうすてぃ
'awari chiyu hatiti hada sudaru tukuru chi 'ayuu hwitu nu yeda gwa 'usuti
〇哀れにも露のように命果てて ここは二人が肌を染めたところ 道歩む人は枝で覆う所
語句・うすてぃ<うすゆん。「かぶせる」「おさえる」など。
はじうすい坂に 咲ちゅる二人が花 一期いちまでぃん 沙汰ゆ残ち
はじうすいびらに さちゅるたいがはな いちぐいちまでぃん さたゆぬくち
hajiusui bira ni sacharu tai ga hana 'ichigu 'ichimadiN sata yu nukuchi
〇はじうすい坂に咲いている二人の花 いつまでも後世に噂を残して
語句・さた うわさ。・ゆ を。文語表現。口語では目的格の助詞がない。
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